【2019/06/17 記念SS追加】魔王軍へようこそ5-創世 - 人気投票結果

 

 

レティスと協力してくれた神々が去り、世界の未来が無限の可能性を持ったある日──

魔王城の玉座の間に、複数の軽やかな靴音が響いた。
現れたのは勇者ソフィアとその一行。
何やら大事な連絡があるという話だが……

「間もなく、北方で大きな反乱が起こります」
「なに?!」
表情を変えずにそう言ったのは、勇者の一行の一人・占い師のミネア。

「『どうしてわかる?』というのは、意味のない質問だな……」
絶対に当たるとまで言われる占い師の言葉だ。
もうこの時点で、反乱が起きるのは確定と考えるしかない。

「反乱の理由はなんだ?」
「自分たちの土地は、自分たちで好きに管理するべき……と考えているようです」
「つまり現状のルールに、不満をため込んでいるのか。だが、そんなに厳しいルールを強いたつもりはないぞ?」
色々あって世界を統べる魔王と言う立場になったが、締め付けるような政策をとったつもりはない。
なるべく平等に、一部の者だけが得をするような規則は避け、努力して結果を出した者は報われるようにしてきたつもりだ。

「以前、お父様から習ったわ。どんなに素晴らしい規則を定めても、それを全てに行き渡らせることはできないって」
横から口を挟んだのは、同じく勇者の一行のアリーナ姫。
アリーナ姫は人間の国の王族で、どちらかと言えば考えるより先に行動するタイプだったが、最近は様子が違っている。
政策とその結果についてよく学び、こうして俺に助言してくれることもある。
「きっと規則がある事がイヤなのよ」
「……………………」
なら、どうすればいいのか?
しばし黙り込んだ俺に、今度は軽い言葉が投げかけられた。

「はいはい、そんなに暗い顔しない。世の中は平和だし、その証拠にこの町の酒場での評判も上々よ」
「それは……喜んでいいのか?」
「酒飲みの言葉ほど辛辣なものはないって、常識でしょ?」
「変な励まし方だな」
こんな独特の表現は、踊り子のマーニャ。
踊り子と言っているが、魔法使い以上に攻撃呪文に優れた勇者の一行の一人だ。

「とにかく、落ち込んだり、変わろうとしなくていいの」
「今回の事は、アタシたちでなんとかするから、安心してそこに座っていてくれればいいわ」
そう言って胸を張ったマーニャだが、ある意味で一番不安な展開だ。
マーニャなら、得意の攻撃呪文ですべてを吹き飛ばすのではないだろうか?
だがそんな不安を察したのか、最後に勇者ソフィアがこう言った。

「大丈夫、ボクが一緒だから上手くやるよ。でも、帰ってくるまでに考えておいて」
「多分この世界から、戦いは消えない。 そういう世界だから……」
そう言って身体を翻すと、勇者ソフィアとその一行は北方の地へと向かった。
念のため確認したが、一行にはクリフトも同行したようだ。

  ・  ・  ・  

「これは困った問題だな」
勇者の一行が立ち去ると、俺は玉座に肘をついてため息をついた。
「シア、聞いていたんだろう? 魔王というのは、想像以上に大変だ」
「はい……、そうですね」
姿を現したシアも、同じように浮かない顔をしている。
おそらくシアも、勇者ソフィアが指摘した、問題の本質に気づいているのだろう。

「『戦いが消えない世界』というのは、薄々気づいていたが……」
「この世界の構造的な問題ですね」
「ああ、ルビスの力を得た世界樹によって、世界は今もまだ広がり続けている」
世界が広がり続けるという事は、統治政策に終わりがないという事だ。
新しく生まれてくる土地を、無為無策のまま放置はできない。
そんなことをすれば、盗賊のような者の住かになってしまう。
そこで俺は、新しい土地に移り住む──、つまりは開拓を推奨した。
まったく新しい土地を切り開くのは大変な苦労だが、新たなチャンスでもある。
そのチャンスは、世界樹の力で新しい土地が生まれ続ける限り続くのだ。
しかし今、その先の新たな問題が生じてしまった。

「考えてみれば当たり前の話だ。俺が行ったことすらない土地にまで、支配が及ぶわけがない……」
「せめて、全てが平野なら違ったでしょうけど」
新たに生まれた土地は、気候も含めて多彩だった。
見渡す限りの沼地ができたり、万年雪の山岳地帯が広がったり、なぜか塩水の湖ができたり。
それらは一部の魔物にとって最高の土地だが、他種族の排他性にもつながる。
様々な地で増え続ける人間や魔物たちには、どんな政策をもってしても、支配と秩序が行き届くことはない。
そして秩序がない世界では、戦いは必ず起きる。
自分たちの力だけで土地を切り開き、住環境を整えた者たちに、頭ごなしに従えと言っても無駄なのだ。

「いや、全てが平野だったとしても、遅かれ早かれだ。やはり統治には限界がある」
「ならどうしますか?」
「そうだな、少し考えさせてくれ…………」
魔物も人間も、それぞれ幸せを求めて活動している。
しかし全ての者が、幸せになるなんて不可能だ。
社会活動の中で成功を掴んだ者と、掴めなかった者に分かたれる。
そして成功したものは、さらなる成功を求めて部下を集め、新しい土地の開拓に力を入れた。
同じようなことを考えた者同士で競い合い、時には争って、成功者の中の成功者が生まれ始めたわけだ。
そうして巨大な力を得た者は、元々の社会に属する意義が薄れていく。
自分達の力だけで、生活できてしまうからだ。

「──今回のように、戦いで押さえつけることもできるだろう。 だがそれではキリがない。 だとすれば力を得た者には自治を認め、その地を託すのがいいだろう」
「!? これ以上の支配を望まないのですか?」
わざわざ確認されたのは、発想が『魔族らしくない』からだろう。
誰かに託すにしても、自治まで認める必要はないのだ。
だが俺には、その自治こそが重要に思えた。
広大で変化に満ちた世界だからこそ、その土地における独自性が必要に違いない。
それを圧迫すれば不満につながり、いつかは反乱となる。

「魔族としての野心はあっても、今はそれ以上に大切なことがある。 わかっていると思うが、シアと一緒にいることだ」
「えっ、その……」
「各地で反乱が頻発しては、そうも言っていられなくなる。 支配だけを望み続ければ、必ずそうなる」
「……………………」
言葉の意味を察したのか、シアはそれ以上何も言わなくなった。
そこで俺は、もう一度確認をする。
「こんな俺を、不甲斐ない魔族だと思うか?」
「変わっているとは思います。 でも、嫌じゃありません」
シアはそう言うと、俺の手を優しく握ってくれた。

「ならば、この方法で決まりだ。 もし問題が出れば、落ち着いてからまた考えればいい。 今は、大事な時期だからな」
「はい…………」
「ではシア、もう少し具体的な話をしたい。 大変だと思うが、このまま聞いてくれるか?」
「大変だなんて、気が早すぎます……」
こうしてシアと共に基本的な方針を定めると、続いて信頼できる仲間を集めた。
この世界で出会い、共に戦った者たちは今、戦いがなくなったことで独自の道を歩んでいる。

・遊び人のミラは荒くれを集めて、巨大な酒場と酒の醸造所を建設した。 酒の味とアルコール度数には、とことんこだわっているらしい。
・女戦士マコは、身体が鈍るからと湿地や泥炭地を干拓し、地道に農業を始めた。 ようやく成果が出始め、質のいい農作物はブランド化しはじめている。
・武闘家チャムは勢いで始めた格闘大会が大当たりし、なぜか巨大な賭博産業に突っ走った。 グレーな世界だが、ノリと勢いで何とかしているらしい。
・僧侶テレネは自らが感銘を受けた信仰を広め、やる気と自信に満ちた者たちを先導して、いち早くから開拓を続けている。 
・魔法使いスザリは呪文の練習を続け、ついには回復呪文を詠唱できる魔法使いとなった。 魔法使い系の魔物たちから求道者として絶大な支持を得ている。
・商人のウルカは圧倒的な商才で得た金を投資し、金が金を生む状況を作り上げた。 最近は多数の傭兵を雇い、安全を守るビジネスを始めたらしい。
・湯治で温泉巡りをしていただけの賢者シズクは、適切な指示でいつの間にか一大観光地を作り上げていた。

「全員がバラバラな道で、しかもそれぞれ成功しているのだからすごいな……」
「いえ、これもあなた様のおかげです」
「あの村で、色々とみてきたからね」
「えー、アタシは自分の才能だと思うな」
近況を詳しく聞いて、つい漏らしてしまった感想に、多方向から色々な言葉が飛んできた。
まったく、どこまでも個性的だ。
だがこんなだからこそ、それぞれの個性に合わせた者が集まり、大きな力となっているのだろう。
そしてその力は、これからもますます必要になる。

すでにテレネは積極的だが、この者たちに新たに誕生した土地の開拓に向かってもらい、その地の発展を促したい。
つまり自治を認めるにしても、最初は息のかかった者がいいという判断だ。
結果的にどうなるかは天運に任せざるを得ないが、争いが起きても十分に戦える面々だし、方向性を定めるぐらいはできるだろう。
上手くいって経済が回れば不満は減るし、治安だって良くなる。
その先が、自治に繋がっていけば一番いい。

「へー、アタシに任せちゃって大丈夫?」
そう言って、聞き返してきたのは遊び人のミラ。
自覚があるようだが、間違いなく不安の筆頭だ。
「…………興味ない」
コミュニケーションに難がありそうなスザリも、戸惑いの声をあげた。

一方でマコやテレネ、ウルカは乗り気だ。
「アンタのためになるなら頑張るよ。うん、真面目にコツコツとね」
「お任せください。あなた様の教えをもっともっと広めてまいります」
「ふふーん、ここより儲けちゃうかもよ?」
とくにウルカは、腕まくりをして算盤をはじき始めている。

そしてどう捉えていいのか難しいのが、チャムとシズク。
「ふーん、アタシの国を作っていいんだよね? じゃあじゃあ、いっぱい贅沢してもいいよね?!」
「イオナズンで岩盤を吹き飛ばしても良し、と。 温泉を掘り放題じゃな……」
はたしてこれらは、どんな土地になるのやら……。
とにかく、まずはこの個性的な7人に託し、残る勇者とその一行には、しばらくの間は反乱に備えてもらう。
そして徐々に、新たに生まれてくるだろう土地に向かってもらう予定にしている。

「あー、いろいろ思うところはあるが、余計なことを言うつもりはない。 まずは新たな地を見て回り、状況を知ってくれ」
「温泉の有無を調べるわけじゃな!」
「…………まあ、苦手なことより、得意なことを伸ばしてくれればそれでいい」

こうしていろいろな思惑がありながらも、7人は新たな土地に向かっていった。
魔王城は少し静かになったが、それでも何か理由を見つけては、すぐに連絡に来てくれる。
開拓地がどうなったかは様々だが、まずは7人に託して正解だっただろう。

  ・  ・  ・  

それから数か月後、北方の反乱を鎮めた勇者ソフィアの一行や、ゼシカ、メーア、アイリーン達も、次々と新しく生まれた世界の果てに旅立っていった。
世界の広がりはとどまるところを知らず、むしろ世界樹を中心にしたおおよその円形で、半径が伸び続けているという調査結果もある。
つまり昨日より今日、今日より明日の方が、大きな土地が生まれている可能性があるのだ。

「まったく、神の力は底知れないな……」

だが一方で、勇者たちの力も相当なものだ。
開拓地には、自らが先行者となって成功しようとする血の気の多い者が集まる。
そんな中でもみんな、それぞれに力を発揮して、その中心に立つようになっていった。

「魔物に懐かれるおっさんもいるし、これぐらいはね」
しばらくぶりに連絡に来たゼシカはそう言って謙遜したが、実際はいきなりのマダンテで、対抗勢力を壊滅させたらしい。
その威力を見た者が、従わざるをえなかったと言うのも納得だ。

「……………………」
勇者アイリーンは多くを語らないが、軍勢が争う中にたった一人で割って入り、剣を一閃しただけで双方を黙らせたとの噂が聞こえてきた。
「ボクはそんなつもり、なかったんだけど……」
同じような噂は勇者ソフィアにもあり、実力主義の魔物たちが次々と従っていると聞く。

「あなたに学んだことを活かせる機会ね」
一方で、戦いではなく統治やルール作りで、人間と魔物の双方から慕われたのはアリーナ姫。
「あーもう、面倒でも放っておけないわ!」
そして諍いで身寄りを失った者を保護し、高い評価を得たマーニャだった。
占い師のミネア曰く、アリーナ姫はこの世界で大きく成長をしたとのこと。
そしてマーニャは、両親を失った経験があるからこそ、同じ境遇の者にだけは優しいらしい。

「私は粛々と、為すべきことをするだけです」
そう言ったミネアは、的中率抜群の占いで導き、同じく多くの者から慕われている。
だがその一方で、占いを信じられない者からは、どうしても敬遠されているようだが……。

「はいはい、何とかするから待って」
いまだ信じる心の影響下にあるメーアの元には、光の勇者の名声もあって、かつてのエルサーゼに未練のある者が集まっているようだ。
それをのらりくらりと躱しつつ、新たな土地を開拓して不満を紛らわしてくれている。

「ふふふふ、完全な平和が来ないなんて、素晴らしいわ」
そして最後に発明家のジュリエッタだが、なんとなく危険な空気を察して、開拓ではなく武器の制作に励んでもらうことにした。
そうでなければ今頃は、実験という名目で巨大な争いの火種を作ったに違いない……。

そうしてみんなが力を発揮していった結果、世界はある種の熱気に包まれていった。
大開拓時代。
それは誰もが夢を持てる、時代なのだから。

  ・  ・  ・  

「この調子なら、思っていた以上に上手くいきそうだ」
「そうですね。 自治を認めるにしても、顔見知りがほとんどですし」
多くの者に慕われることになったテレネやアリーナ姫は、すでにある程度の土地を統治し始めている。
もちろん仲間たちの活躍以外にも、強力な力を盛った魔物や、知恵のある人間が大きな勢力を率いているところもある。
争いだって起きるが、それらも含めて、世界は多様な広がりを持つことになった。
多くの者が一つの方向性ではなく、色々な生き方を探すことができる。
とにかく、世界は広いのだ。

「でも、世界が広がり続けるのは気がかりです……」
「またいつか限界が来る、か?」
「はい…………」
「だとすればそれは、受け入れるしかない運命だ。 いつかは世界中を巻き込む戦争が起きるかもしれないし、世界を統一するものだって現れるかもしれない」
「…………………………」
「だが俺は、そうならないように努めたい。 俺自身が長生きするのはもちろん、子供たちにもしっかり伝えなければ」
「子供たち……、そうですね」
子供たちと言う言葉に反応して、シアは少し笑った。
実はつい半年前、待望の子供を出産したばかりだ。
俺としてはまだまだのんびりしていてほしいのだが、シアは何かしていないと不安らしい。

「ところであなた、『子供たち』ということはまだ……」
「む、それはその、まぁ……まだ先の話だが、シアがいいと言ってくれるなら、な。 相当辛いとも聞くので、俺一人では……」
「もう!こういう時は『ぜひそう願っている』とだけ言ってください。 私は3人は欲しいと思っています!」
「そう言ってくれるのは頼もしいが、無理だけはするな」
「しませんし、あなたは気にしすぎです! もう何度も、いつだって大丈夫と言ってきたのに……」

シアの口調が少し尖ったのは、俺が次の子を躊躇したからだけではないようだ。
魔王様の娘として生まれ、幼いころから帝王学を学んできたシアにとって、出産までの大事にされるだけの期間は辛かったらしい。
どうしようもなかったとはいえ、大開拓時代の波に乗れなかった事に、思うところがあるようだ。

「第一子ですから以前は言いませんでしたが、魔族として支配を望まないのは不本意です」
「おいおい……」
「それに世界は広がり続けるのですから、今からでも遅くはありません。 貪欲な姿勢は魔王の威厳にも繋がりますし、子供にも立派な姿を見せてください!」
「…………そ、そうだな。 そういうのも必要か……」
「はい、必要です」
「言い切ったな……」
「父の成功や苦労を知らない二代目は無茶をすると言いますし、私もお父様から、それらの注意はたびたび受けましたから」
「…………………………」

こういう風に言われると、平凡な家柄の俺は、納得せざるを得ない。
確かにシアは、子供の頃から皆に特別だと思われる存在だったのだ。
ただ、孤独でもあっただろうから、それはまた何とかしたいが……。

「そういうわけで、納得してくださったなら今後の方針を決めます」
「今すぐか?」
「乳母もいますし、私はもう充分に休みました」
「わかった。 やはりまずは、魔王らしい威厳のある行動だな。 具体的には新世界の開拓──」
「は、私と一緒にです!」
「一緒に?」
「子供ができたのですから、開拓だけに目を向けられては困ります」
「そうだな……」
「だからと言って、子育てばかりでも困ります。 今度は私が寂しいですから」
「うーーむ…………」
「それに、さっき話した『2人目と3人目』のことも考えてください」
「………………」
「さあ、どれからしますか?」
「……………………」
どれも大事なことばかりを積み上げられ、すぐに選ぶ事ができずにいた。
するとシアは……

「では、ヒントです。 今、私が一番うれしいのは……」
そう言ったシアは、俺の身体を引っ張ると、抱きしめるようにして唇を近づけてきた。
柔らかく、そして弾力のある唇。
もう何度も重ね合ったそれは、あっという間に俺の冷静さを奪ってしまう。
俺の方からもシアの身体を抱きしめ、そしてゆっくりと身体の位置を入れ替えた。

「……これが正解なのか?」
「んん……、少し意地悪でしたね。 でも、ずっと寂しかったから……」
「負担をかけたくなかったからな」
「待たせすぎるのは、優しくても残酷です。 だから……、このまま続けてくれますか? だったらベッドに…………」

温かい吐息を漏らしながら、玉座に座り、俺を見つめるシア。
いまだに王女のイメージが強いからこそ、今でもこの方がしっくりする。
かつて憧れ、手が届かないと断念したシア王女。
だが様々な偶然と、素晴らしい出会いが重なって、俺は憧れの女性を手に入れた。
その柔らかい胸を抱き、股間をまさぐりながら、俺は首を振って、もう止まれないと告げる。

「もう……、いきなりスイッチが入ったのですね。 私と同じ……」
そう言って、シアも抵抗はしない。
為すがままに行為を受け入れ、次第に甘い声を上げはじめる。
「んん、あなた…………」
俺にとって最愛の、そしていつまでも俺の隣にいて欲しい女性。
ずっと一緒というわけにはいかないからこそ、こんな時間が大切だ。

「シア、好きだ」
正直な気持ちを、シアに伝える。
「私もです……」
そして真っ赤になって答えてくれたシアの唇に、もう一度自分の唇を重ねて塞ぐのだった。

Fin

 

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