高校生活3年目の秋。 最近、俺の周りが急速に色のないものに変わっていった。
家でも学校でも繰り返される成果の見えない行為…受験勉強。

友達も家族も、周りの人間はみんな変わってしまった。
頑張れ、頑張れって………オウムのように繰り返す。 俺はその「強制の言葉」から少しでも逃げ出したかった。
ゲームセンター、カラオケ、商店街、CDショップ…楽しいと思うところには全て行ってみた。
でも今の俺に、活気ある賑やかな雰囲気に耐えられなかった。


そんな俺がようやく見つけた、おちつける場所。
それは小さいころによく遊んでいた公園。 裏手が小高い丘になっていて、見下ろすと町が一望できる。

秋虫の鳴き声を聞き、心地よい風に肌を撫でられる。
何もしない、何も考えないこと。
忘れてしまっていた、のんびりとした時間。

そして、ここには俺のほかに一人先客が居た。
地元の高校の制服姿の女の子が、俺と同じように夕陽を眺めていた。
だけど話しかけたりする事はない。
彼女はも俺と同じような目的でここに来ているのかもしれないから。

・・・ ・・・ ・・・
・・・ ・・・
・・・

「こんにちわ。 ここ、気に入ったの?」
数週間後、最初に話しかけてきたのは彼女の方からだった。
俺は「お仲間さん」からの突然の言葉にあわてた。

だけど、その認識自体が間違いだったとすぐに判った。
彼女は、俺にないものを二つ持っていた。

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